今回は滝沢氏が語る「抽象度」の総まとめとして、これまでの内容を振り返りながら「抽象度」の本質について改めて考えてみたいと思います。
まず、そもそも「抽象度」とは何かを再確認しましょう。これは、物事をどれだけ広く、そしてどれだけ深く捉えられるかという思考のレベルを示す概念です。日常の出来事やビジネス上の課題、さらには人間関係までも、「抽象度」の違いによって見え方が大きく変わってきます。
たとえば、「犬」と聞いたときに「柴犬」や「トイプードル」をイメージするのか、それとも「動物」という大きなカテゴリを思い浮かべるのか。それぞれの思考レベルが違い、それが「抽象度」の違いです。前者は具体的、後者は抽象的であると言えます。
これまでの記事では、「抽象度」を上げることで得られる視点の変化や、情報の整理能力、そしてコミュニケーション力の向上について書いてきました。たとえばビジネスにおいて、細かい数字や現場の状況ばかりに目を向けると、本質的な課題が見えにくくなることがあります。しかし「抽象度」を意識することで、表面的な情報に惑わされず、より大局的な判断が可能になるのです。
また、学びの質を高めるためにも「抽象度」の意識は欠かせません。知識をただ蓄積するだけではなく、それらをつなげ、共通点や本質を見抜く力が、思考の深さを生み出します。これは、どの分野においても応用できるスキルであり、学ぶほどに人生の視界が広がっていく感覚があります。
そして最後にお伝えしたいのは、「抽象度」は訓練によって高めることができるという点です。最初は意識しないと難しく感じるかもしれませんが、日々の中で「これってもっと上の視点で見るとどうなるだろう?」と問いかける習慣をつけることで、少しずつ思考の幅が広がっていきます。
以上が、これまでの「抽象度」に関する記事の総まとめとなります。引き続き、皆さんと一緒により高い視点で物事を捉える力を磨いていければと思っています。次回以降もどうぞお楽しみに。